読書7-5『心の病 回復への道』Ⅱ

適応障害人格障害を肯定しているようだ。

~生体は環境が変わってもホメオスタシス(恒常性)を維持するためにホルモン分泌や自律神経系を介して適応しようとするのですが、その反応を症状や疾患と名付けられる現象であると位置づけたのです。~

~適応のために反応しなければ、生命上の危機に至るのですから、症状や疾患は生体にとって歓迎すべき現象であると言えるでしょう。むしろ生体が反応しない場合や、あるいは反応しても気づかないまま過ごしてしまうことが問題です。~

私が適応障害になったときの労働環境や生活環境に自分が適応できずに生命上の危機に至った。自分の命を守るために適応障害になったということ。

~平時であっても精神疾患の発生率は一般の身体疾患における発生率よりけた違いに高い頻度です。単なる生物学的な異常というよりも人類という種の生き残り作戦と考えるべきでしょう。ある時代には不適応になるとしても、別の時代には適応する可能性を持った多様な性質を保持する必要があるのです。~

体よりも心の方がよほど敏感なのだ。体が先に壊れて心に至るのではない、心が壊れて体に至るのだ。「あなたの心が壊れたのは、あなたが弱いからではない。時代のせい、環境のせいなのだ」

昨日観た外国映画のワンシーンで、困難な出来事に遭遇し心が折れそうになった相手に、お酒を勧めるシーンがあった。「飲んで忘れろ」「飲んで憂さを払え」それができれば、それに越したことはない。しかし私の体はアルコールをうまく消化できないのだ。体が不適応を起こしてしまうようなことがあったらどうするか、酒に頼る以外の対処法を見つけねばならない。(R4.11/20記)