読書8-1『無頼のススメ』Ⅷ

今回で最後にしたい。

~一つ言えることは、どんな悲しみでも終わりはあるということ、生き続けてさえいれば、時間が解決してくれる。時間がクスリという言葉は本当です。~

最近は、こう思えるようになったな。昔は待てなかった。まあ、そんなに大きな悲しみに遭遇していないのだけれど。

~人間というのは何をするか分からない生き物なんだということを忘れてはならない。「いや、人間なんだから、これくれいのことはやるだろうよ」と思えるかどうか。それは世の中を生きていくうえでとても重要なことです。~

著者の考えは、厳しいなあと思う。著者自身がよほどひどい目や辛い目に遭ってきたのではないかと思う。修羅場をくぐってきた人なのだろう。まあ、だからこそ、週刊誌で人生相談もできるのだろうが。

~人は理由もなしに平然と誰かを殺すことがあるのです。あらゆる殺人に理由付けできると考えるのは人間に対する考え方として表面的で浅すぎます。~

確かに、ニュースを見ていると、殺人事件など後を絶たない。

~大人の男として独り立ちして生きていこう、自分の人生に決着をつけようと考えるのなら、世間の道徳とは違う、「人間の悪」を見つめなくてはならない。殺人、戦争、そういう悪は許せない、地上から絶滅できるはずだと考えるようなら、いつまでたっても大人にはなれない。~

悪を許せないと思っていては大人にはなれないということ。でもそれはこれまで言ってきた「怒り」と矛盾するのではないだろうか。悪を許せないと思うことが「怒り」だと思うのだが。

~世の中で起きたことは自分にも起こる。~

自分の身の回りでも、殺人などは起こるということだ。人間とは、他者を殺しかねない生き物と思っておいた方がいいのだ。そんな気持ちを懐に抱いておくのだ。(R5.5/1記)