読書8-1『無頼のススメ』(伊集院 静)

無頼のススメ (新潮新書)  – 2015/1/24 伊集院 静 (著)

視写ノートも今日から8冊目である。ちなみに8冊目は、2019年8月20日から10月4日までの視写だ。著者はよく知っている。週刊文春で悩み事相談をしており、割と楽しく読ませてもらっている。

コメントからは、「無類」とは人としての心の持ち方、生きる姿勢のことをいうのだそうだ。著者ならではの経験と感性から紡ぎだされる「逆張り」人生論、ともあった。

~無頼とは読んで字のことく「頼るものなし」という覚悟のこと。「頼るものなし」という姿勢ができると、周りに振り回されて右往左往することがなくなります。~

教員の仕事に研究授業の指導案作成というのがある。かつて校内研究で指導案検討会が行われ、経験の浅い人物の指導案を参加者が助言という名でこき下ろし、結局その人物の個性や能力からかけ離れた代物になってしまう。そんなことを思い出した。誰かに何かを頼ると、それに従わなくてはならなくなったりするよね。

~自分はどうしようもない人間で、ひどい怠け者なんだ、と自分自身の弱さをとことん知っておくことが無頼の大前提です。~

自分の弱さを知っているから他人を頼るのだと思うのだが、それが違う。自分の弱さを知っていればこそ、あまたの他人からの助言を取捨選択できるということかな。自分自身の弱さを自分は知っているだろうか。自分は自分をどうしようもないとまでは思っていないし、怠け者というつもりもない。ということは、自分自身の弱さを直視できていないということか。無頼の前提にたどり着けない。(R5.4/20記)