映画『いつかの君にもわかること(2020)』

いつかの君にもわかること(2020)NOWHERE SPECIAL 監督 ウベルト・パゾリーニ

花粉の影響だろうか。黄砂の影響だろうか。はたまた新学期の心労だろうか。喉がずっといがらっぽく、咳ががまんできない。体調自体は悪くないので、放っているが、不快感はある。だが、映画への渇望が勝り、平日夜だがカレーを食べてから隣市ミニシアターへ向かった。

監督はウベルト・パゾリーニ。調べてみたら『アイ・アム まきもと』の原作者だった。残念、この映画は観ていない。注目俳優は主演のジェームズ・ノートン。この人、次期ジェームズ・ボンド役の噂もあるらしい。

サイトで高評価だったので期待したのだが、それほどでもないという印象。物語自体がモヤモヤしているのだ。不治の病で余命僅かだそうだが、それが明示されるカットはない。嘔吐するシーンや病院の待合室でのシーンはあるが、観る者に慮ることを要求している。だから常に、はてなを抱きながら不安定な心持ちで観ざるを得なかった。母親は我が子を産んでおきながら簡単に音信不通になるだろうか、余命いくばくなのに、息子と歩き回れるのだろうか。そんな疑問も心持ちをぐらつかせた。

だが、若い父親の、我が子を案ずる気持ちはじゅうぶん伝わったかな。ところで、原題の「NOWHERE SPECIAL」は、特別なことは何もない、奇跡は起こらない、という意味なのかな。(R5.4/20記)