読書7-17『森田療法』Ⅹ

仏教者ではないかというのは、こんな文章からも。

四諦とは、老いる、病む、生きる苦しみ、死ぬ、正老病死にあらがうことはできないということである。現象をそのままの形で真実をもって受け止めようというのがその根幹である。~

仏教では四苦という。老いるのも、病むのも、死ぬのももちろん、生きることも苦しみなのだ。すべてが苦しみだと知り、自分もだいぶ生きるのが楽になった。ある意味、諦めて生きるようになった。

~現象を「ある」「ままに」認めようということであり、筆者はこれを非常に大きな意味での「あるがまま」と考えている。~

~「あるがまま」に現象や欲望を認めることができたならば、自分の真の欲望を生かすために行動を起こし、自己実現をしなければならない。それが「目的本位」の行動である。

たくさんの欲望がある。そこから真の欲望を見つけ、それを実現する行動をするのだ。

~そしてその行動を選択するために、我々は主体的な場に立たされている。苦しいから逃避するのか、苦しくても人間的な行為を選ぶのか、そこに選択の自由がある。つまり、自己確立のできた人間とは、この自由を行使しうる人間を指すのである。~

自由を行使するというのは、人間的な向上欲求、家族のための献身、自分を生かしてくれる社会への貢献をするということだ。(R5.4/2記)