読書7-16『明日のリーダーのために』Ⅱ

教育についての記述が続く。

~空想を芽生えさせる土壌は自由な読書です。自由な読書は基礎の知識すなわち「読み、書き、そろばん」が十分に習得されて初めて可能になります。~

空想の大切さを唱えるのは目新しい。読み書き計算の力をつけ、自由読書へつなげ、豊かな空想をさせるということだ。これからは、アイデア、発想重視の時代だ。画一的な商品では太刀打ちできない。ヒット商品や新規開拓するようなビジネスをするには、空想こそが土台になるのだ。

~空想を巡らす度合いが大きいほど、自分の関心の幅が広くなることを意味します。そして将来に向かっての様々な可能性の種を心の中に埋めることを意味します。~

そう考えると、今の教育は「空想」とは逆行している。タブレットを配布し、読み書きの機会を減らすとともに、読書離れを加速させている。授業時間数を増やして、教科内容を詰め込み、空想するゆとりを失くしている。

~最近の教育の最大の問題は、公的初中等教育の劣化ということに尽きる。「学び」は本来基礎を徹底的に教えることであり、公的初中等教育の役割は此所にあります。~

基礎を徹底的に教えるなんてはるか昔のこと。興味関心意欲を持ち上げたり、コミュニケーション能力を高めようとしたり、焦点が定まらずにブレ続け、保育所か子ども預り所のような施設になってしまった。(R5.3/8記)