読書7-8『玄冬の門』(五木寛之)

玄冬の門 (ベスト新書) – 2016/6/9 五木 寛之  (著)

玄冬とは何ぞや。調べてみたら「青春・朱夏・白秋・玄冬は、春・夏・秋・冬、それぞれの季節を、人生や年代に当てはめた考え方。玄冬に対応する年代は、60代後半以降として、人生を完成させる年代、次の世代に願いを残す年代でもある」とあった。そういえば『青春の門』という物語、映画があった。同じ作者だから、それにもじって本書を表したのか。

~社会に出て働いて、家を建てて家族を養い、子孫を確保するいうことで人生が終わるのではない。それはまだ人生の半分ではないか。~

私も子孫を確保するところまでは何とかたどり着いた。ほぼ人生終わったような気分にもなるときがある。だが、まだ白秋、平均寿命からしてもまだ20年以上ある。

孤独死を覚悟して生きていかなければならないのに、全く新しい人生観、つまり後半生を中心にして考える人生観というものが、現在まだはっきりと確立されていない。~

時代が目まぐるしく変わっていく。平均寿命が急速に伸びた。それに社会が追い付いていない。対応として身近な変化と言えば、定年延長だ。私の場合、60歳から64歳に延期した。あと4年が、あと8年。これは大きい。

私は休職をきっかけに、定年後とか、人生の後半部分について、少しずつ考えるようにした。以前のように仕事でスキルアップしようとか、自己実現しようと思っていない。最低限の範囲に全力を尽くすのみだ。

~条件が非常に厳しい中でしっかりとした足取りで自分なりのポリシーを持って元気に生きていくということが目下、私たち日本人の最大の課題ではないか。これからの人は孤立しても元気に生きていくという道を考えるべきだ。~

孤独死するということは、孤立して生きていたということ。仕事もない、社会との接点もほとんどない、経済的にも、社会的にも、体力的にも、厳しい中で生きなければならない将来が待っている。(R4.12/17記)