映画『かば(2020)』

かば(2020)監督 川本貴弘

前作の余韻も冷めやらぬ中、あてにしていた近くの町中華は臨時休業。失意の中、喫茶店に向かう途中で「たこ焼き、お好み焼き、焼きそば」の店発見。ランチもやっているとのこと。オムそば、お好み焼き、わかめご飯、味噌汁のセットが1000円でおつりがくる。心もお腹も充たされて、再度ミニシアターへ向かう。

信じられないほど評価が高いのだが、要するに金八先生の大阪版である。観る前、嫌な気分になるかもしれないな、という予感はしていた。なぜか。私のブログを読み続けている人は、大方予想がつくんじゃないかな。

タイトルは動物名ではなく、モデルになった教師の苗字である。享年58歳、葬儀に300人参列して偲んだとのこと。教師が生徒と向き合うことは大切だ。しかし、彼を中心とした熱血教師たちのように、自分の人生をすべて投げうつものなのだろうか。私は自分の葬儀にはきっと僅かしか参列しないだろう。それでもいい。教師という枠にとどまらずに、人のためになり、家族のためになり、自分のためになる時間を過ごしたい。

人を育てるのはドラマになり得る。しかし、そのために理想の教師像を作られ、そうでなければ非難されるような空気を作っていないだろうか。「教師なら24時間子どものために尽くせ」という世論を形成していないだろうか。

上映後、監督の舞台挨拶があったようだが、最前列で鑑賞しており、何かコメントを求められてもいやだったので、すぐに会場を出た。(R4.12/10記)