君たちはまだ長いトンネルの中(2022)監督 なるせゆうせい
座席最前列で、行きがけスーパーで買ったおにぎり2つを食べて、2本目を鑑賞する。本作の評価を見てみたら、群を抜いての高評価である。今日はこれを目当てに来たようなものだ。
珍しくメッセージ性の強い映画である。おそらくメッセージありきで本作が作られたのだろう。そのためだろうか、ストーリーとしては、あまりにも不勉強な社会科教師、古めかしい権威をふりかざす教師など、不自然な場面が気になった。特に、ヒロインは「自分で調べればいい」ことを強調していたが、その割にどことなく父親の主張の受け売り臭が強く、ヒロインが「自分で調べている」シーンをどこかに入れるべきだと思った。実際、「自分で調べろ」と言われても、「どう調べたらいいかわからない」というのが今の日本人全体の現状なのだ。
しかし、メッセージ自体は全くその通りである。ヒロインの主張を新人議員が代弁するシーンは感動的でもある。映画自体のクオリティはともかく、このような映画自体が数奇な存在であること、そしてこのようなメッセージを発する媒体自体が数奇であることが高評価の理由なのだと思う。自分自身が勉強する、自分で考えて自分で判断する重要性をあらためて感じた。(R4.9/23記)