映画『夕霧花園 (2019)』

夕霧花園 (2019) THE GARDEN OF EVENING MISTS 監督 トム・リン

翌日は祝日だが孫の世話で一日つぶれる。そう思うと、今晩、映画を観ておかなくては、という切実感が急激に高まった。自宅で予約作業を済ませ、隣市のミニシアターへ珍しく車で向かう。

とてもいい映画を観た、という気持ちになった。まず、主演のアンジェリカ・リーがとても魅力的だ。暗く悲しい過去を抱えながらも強く生きていく女性を熱演している。映画制作時に40を越えているんだよね。見えないなあ。

そして時代背景。日本軍が占領し、若い女性を強制的に慰安婦にさせていたこと。韓国での話はよく聞くが、大東亜共栄圏と謳いアジア各地に勢力を広げていたので、さもありなんということだ。観ていて、本当に心が痛んだ。そんな悲しみを背負ったヒロインの行く末に気持ちが自然と入り込んだ。

日本の文化として日本庭園、入れ墨など、制作側がよく研究したのだろうと思う。日本軍の卑劣さに偏らず日本文化のよさを伝えようとしているのはいいことだと思う。時代を越えて問題を解き明かすという流れも秀逸に感じます。秀作が観れてよかった!

(R3.9.23記)