閉じる幸せ (岩波新書) – 2014/10/22 残間 里江子 (著)
筆者は1950年生まれ。64歳の時の著書である。
~「変わりたい」と思いながら生きてきました。環境や状況がいくら変わっても、私自身の根幹が変わらないかぎり、何一つ変わらない。~
少し前といっても三年も前だが、やはり私も「変わりたい」と思いながら生きていた。もっといい先生になりたい。もっといい授業がしたい。名の通った教師になりたい。そう思ってがむしゃらに努力していた。技術と知識で自分を塗り固め、精一杯背伸びしていた。だが満足いく結果ではなかった。結局、教師として、というより人間として未熟だったのだと思う。
~私の考える「閉じる」はいったん締めくくり、自分にケリをつけるということ。~
私は半年間、休職をすることにした。その間、本書と出会っている。その時、きっと読んで納得したのだろう。私も「閉じた」のだなあと自然に思う。
~逃げたり諦めたりということではなく、よりよく生きるため、今までの自分を脱ぎ捨て、ここでいったん閉じてみよう。何かに囚われて思いを残すことなく、人生を最後まで生き抜き、命をすべて使い切るために颯爽と閉じてみよう。~
休職から復帰し、早や2年と半年だ。もちろん全力で働いているのだが、もう理想の教師像なんて持っていない。そういうことに興味がわかない。教師として、ではなく「人間として」という気持ちが強い。(R3.9/24記)