読書『不幸な国の幸福論』Ⅸ

今回の幸福のポイントは2つだ。

 ~足るを知る者は富む。何事においても足るを知って満足することのできる者が本当の意味で豊かな人間なのだ。足ることを知れば人によって辱められる心配がなくなり、ほどよいところでとどまれる者は危ない目に遭わずに済む。心穏やかに長らえることができるのだ。~

「足るを知る」現代人に一番欠けている思考ではないだろうか。なぜ現状で満足できないのだろう。きっとこの社会が競争社会で成り立っており、物心ついた頃から、他人と比べられ、競争させられているからだと思う。常に「成長」「向上」「改良」を求められるのだ。

~モノやお金、名声や地位や他者の評価といった自分の外側にあるものに振り回されるな。もっと自足して生きよう、とすすめている。~

競争漬けされているということは、自分を他人との比較でしか見出すことができない。自分で自分を確立させられない。よって常に他者の評価を求め、振り回されることになる。

~外的価値を高めようとあくせくしたり、他者の評価を気にしたりすることに時間とエネルギーを費やすのを思い切ってやめてみる。人生をコントロールする力を自分の手に取り戻していくことが大事。今自分が手にしているものの中にある喜びを積極的に見出していけるようになるはず。~

私もかつて「もっといい先生になりたい」「いい先生と言われたい」なんて思っていたな。外的価値を高めようとしていた。莫大な時間とエネルギーをかけていた。それは人生を自分に手でコントロールしていなかった、他者にコントロールされていたということなのだろうか。

~強めて行う者は志あり。自分を励まし、志を持って努力を続けようと説いている。今の自分が持っているものに満足し、自分を肯定できる人は、周囲の意見やら見栄やら流行といったものに惑わされたり、人と比較して自分にないものを求めたりすることが少なくなる。それゆえ、自分の性格や能力に応じた目標を定め、今の自分にできる努力を正しい方向に積み重ねていくことができるようになる。知足と努力の二つはセットでこそ力を発揮する。~

今の自分が、性格や能力に応じた目標を定めて努力している、とは言い難い。最近、意識していることは、「今日の自分は皆さんの役に立てただろうか」ということだ。それは志なのかな。「知足と努力はセット」というのが心に刺さる。