読書8-6『「自分には価値がない」の心理学』Ⅱ

先日、高齢者施設のイベントに招かれて演奏をした。コロナ禍があったので実に3年ぶりの活動だ。そのため演奏当日に向けて準備にも力を入れた。本番も、利用者、スタッフが喜んでくれたようで、それなりの手ごたえを感じることができた。

~自分を自分として成長させること、それにより、自分の内にある力を実感すること。こうした体験を積み重ねることで、無価値感は自ずと乗り越えられていくのである。~

それが自分の成長なのかは分からないが、そういった感情は、無価値感とは対極するものだ。仕事で成果を上げられなくとも無価値感と縁遠くいられたのは、こうした高齢者施設訪問演奏という体験を長年積み重ねてきたおかげなのかもしれないと思った。

~自分に価値があるという感覚を自己価値観という。他者から愛されること、尊重されること、受容されること、こうした体験が自己価値観を高める。~

三つとも、受け身の表現だ。自分の努力ではどうにもならないということか。だがひとまずは、他者を愛し、尊重し、受容するという態度をこちらから努めよう。

~身体が大きくなること、身体が魅力的になること、能力が高まること、何事かをやり遂げること、成功した体験、競争で勝つこと。こうしたことが自信をもたらし、自己価値観を高める。~

自分の人生も下り坂である。年老い、魅力も能力も劣り、できないことが増えていく。過去の成功体験にしがみつき、もちろん競争にも負ける。そんな年老いた者がどうやって自信と自己価値観を維持していけばいいのだろうか。とりあえず、次の訪問演奏が決まったのでそれを成功させよう。(R5.6/7記)