映画『マーメイド・イン・パリ』

マーメイド・イン・パリ (2020)  UNE SIRENE A PARIS/MERMAID IN PARIS 監督 マチアス・マルジウ

隣市のミニシアターで観賞。評価はそんなに高いわけではないのだが、時間帯からしてこの映画しかなかった。ドラッグストアで買った菓子パン2つを食べながら、期待もせず気楽に観ることができた。

作り物のような絵から、実写に移っていく斬新なスタートから入ったからだろうが、映像全体が何か絵本のようなイメージだ。映像だけではない、登場人物の生活も、周辺キャラも、すべておとぎ話のような設定だ。だから人魚登場となっても、ほとんど違和感がなかった。その人魚はただ美しいだけではないのだ。もしやヨーロッパでは人魚は妖怪の一種とされているのかもしれない。

パリの人魚。いったい何年前のパリなのだろう。おしゃれというか、古風というか、ちょっと長めに滞在したくなるようなそんなパリの姿であった。

心にぐいぐい来るわけではない、やわらかな風でフッと揺らしてくれる心地よさがこの映画にはあります。