映画『ひとくず』

 

ひとくず (2019) 監督 上西雄大

隣市のミニシアターで「奇跡のテノール」に続き観賞。某映画サイトのユーザーレビューの「今年最高の映画」という文字が目に留まり、調べると上映はなんと本日まで。某サイトでは出色ものの高得点です。

観てよかったなんてものではありません。心に刺さりまくり、心が揺さぶられまくり、感動の渦に巻き込まれてしまいました。終盤のあるシーンで抑えきれずに泣けてしまい、そして最終盤でもまた泣かされました。もうグッスングッスンで、近くに誰もいなくてよかったです。

登場人物のような跡ではないが、私にも火傷がある。心にある火傷だ。それだけではない。私は火傷をさせてもいる。もしかしたら、大なり小なり誰もが、心に火傷を持っているのではないか。火傷は巡りめくる。連鎖するのだ。だから私は自分にもその火傷の復讐が来るのではとびくびくしながら観ていた。

だが、火傷の連鎖は断ち切ることができるのだ。同情かもしれない。共感かもしれない。だが、連鎖を断とうとすれば救われる。復讐に怯えていた私に希望の光を与えてくれた。今回はそんな感動なのだ。

とってもおススメの作品ですが、もう我が国の数ある劇場の中で一か所でしか上映していません。そんな貴重な映画に出会えたことを心から嬉しく思います。