映画『痛くない死に方』

痛くない死に方 (2020)監督 高橋伴明

3が付く日なので絶好のミニシアター日和である。目当ては驚異の高評価をたたき出している本作品である。

前半と後半でイメージが全然違う作品だ。前半はとにかく観ているのがつらい。「自分もいつかこのときを迎えるのだな」と思うと、正直こわくなってしまった。

末期がん患者の本人が在宅治療を選んだのはいいが、本人はもちろん家族がとても大変なのだ。「在宅医」というものの存在が分かったが、「来てほしい時に来てくれる」ことが前提なのだ。

家族は「私に責任があるのか」と自分を責めていたけど、自宅で死ぬことを選んだのは患者本人だ。結局遺された家族が心を痛めてしまうことになる。本当に困難な問題である。

しかし、後半で大きく変わる。患者自身の個性と、そして在宅医の治療への取り組み方。死はだれもが迎える問題である。皆に観てほしい映画です。