野球少女 (2019) BASEBALL GIRL 監督 チェ・ユンテ
朝から平日鑑賞を狙っていたのだ。けっこう大きな仕事をやり終えて15分間の割り振りをとって帰宅。隣市の複合型劇場に向かった。施設内のカフェは半券をもっていくと特典がある。そこで菓子パンを食べてから鑑賞に臨んだ。
そこそこの評価点だったが、韓国、野球、少女という意外性のマッチングが気になったし、盤石の韓国映画だから観て損はないだろうと思ったのだ。
スポーツものの映画だと、汗、涙、歓声、劇的な勝利などの展開を期待してしまう。しかし本作は全く作風が違う。大きな抑揚のない淡々としたストーリー展開である。大きな感動はないが、観終わった後でじっくりとダシがきいてくる、そんな作品である。
今でも覚えている。まだ私が小学生、誰もがそうであったように、野球選手を夢見ていた。ある日、私は父親に尋ねた。「もし僕が野球選手になったらどうする？」と。しかし父親は「そんなの、なれるわけない」と、つれなく返した。それから、私がなんとなく父親を好きになりきれなかったのは、その思い出があるからだと思う。どこかで、親として我が子にこんな言葉は決して言うまい、と感覚的に誓っていたと思う。
映画を観て、自分の人生を振り返る。それもまた映画の良さだ。
