映画『トゥルーノース (2020)』

トゥルーノース (2020)  TRUE NORTH  監督 清水ハン栄治

某サイトで高評価であり、ずっと気になっていた映画だ。隣市のミニシアターでは、今日が最終上映。最近チケットのシステムが変わったので、ネットで会員になりチケット入手。雨がやまなかったのでマイカーで劇場に向かう。

いやはや物凄い映画である。北朝鮮の現状について、脱北者のコメントが時々報じられ、知識としては知っていたのだが、たとえアニメーションであっても、映像で受け止めると、まさに衝撃である。

強制連行され、人権を踏みにじられ虐げられる人々。このグローバルな時代に、こんな世界がまだ残っているなんて。呆気にとられ、そして心もボロボロになった。だがそんな劣悪な環境でも人間らしさを失わない人がいる。私はフランクルの『夜と霧』を思い出していた。

そして終盤の「信じてもらえないかもしれないけど最後まで聞け」という場面。私は涙は出なかったけど号泣した。どんな非情でも、どんな圧政でも、どんな不運でも、自棄になってはいけない。誇りを失ってはいけない。信じることを忘れてはいけない。望みを捨ててはいけないのだ。

「正しい、悪いではない。誰になりたいか」どうしたらこんな素晴らしい言葉を発することができるのだろう。2つの生き方、どちらも価値がある。

もう終わりだけど、観るべき映画だと思う。(R3.8.19記)