読書『 資本主義の終焉と歴史の危機』Ⅲ

資本主義と雇用問題について書かれている。

~資本主義の最終局面では、経済成長と賃金との分離は必然的現象なのです。このままグローバル資本主義を維持しようとすれば「雇用なき経済成長」という悪夢が続くということ。~

~21世紀の日本では景気回復は株主のためのものとなり、雇用者のためのものではなくなったのです。企業経営者は配当を増やすために雇用者報酬を削減したのです。そして雇用者報酬の減少のそもそもの原因h過剰設備の維持のためのものだったのです。~

景気が回復しているのに、その実感がわかない。株価が上がったとかの数字だけの判断で「回復」としているのだ。景気回復の恩恵を受けているのは株主だけなのだ。株主など富裕層だけが得をし、中間層が落ち込んでいく。これこそ二極化だ。

~成長に期待をかければかけるほど、すなわち資本が前進しようとすればするほど、雇用を犠牲にするのです。過去の成長イデオロギーにすがりついたまま猛進すれば、日本の中間層はこぞって没落せざるを得ません。~

過去の成長イデオロギーか。そのような幻想を抱き、コスト削減、リストラ、長時間労働へと追い詰めていく。

~中間層が没落した先進国で、消費ブームが戻ってくるはずがない。~

物が売れなければ、企業だって困るだろうに。