映画『FUNAN フナン』

FUNAN フナン (2018)FUNAN 監督 ドゥニ・ドー

祝日。3の付く日。まさに映画日和である。そう隣市のミニシアターのサービスデーなのだ。私はコメダでモーニングをすました後、劇場に向かった。さすがサービスデー。結構客席に人がいた。相変わらず、映画サイトの点数だけで下調べもせずに鑑賞している。マストな評価だったのだ。

悲しい物語である。米国の支配から逃れるためにクーデターを起こす。資本主義に対し、共産主義である。いつの時代も、その時の指導者の浅はかな考えにより、弱い立場、民衆が虐げられるのだ。

民衆は住んでいた土地から移動させられる。私有物や富は敵視され、財産も取り上げられる。その混乱により、親子が離れ離れになる。子どもを探したいという親に対し、指導者の手下は「努力には報いる」と言いつつ強制労働させる。「努力は報いる」のだったら、資本主義だわな。

戦争などで、親子が離れ離れになる物語はこれまでいやというほど見て来た。それと延長線上の作品だ。誰かが犠牲にならなければならないというのは真実であっても受け入れがたい。

「フナン」を某サイトで調べてみたら、「扶南」と出た。その意味はインドシナ半島南部にクメール人が建てた古代国家のこと。「クメールルージュ」も調べてみた。ルージュは赤。共産主義という意味らしい。この映画を観なければ、そんな暗い歴史も知らなかったのだ。そう思うと、観てよかった。