読書『 資本主義の終焉と歴史の危機』Ⅳ

グローバル資本主義の闇が露呈されている。

グローバル資本主義とは国家の内側にある社会の均質性を消滅させ、国家の内側に「中心/周辺」を生み出していくシステムだと言えます。~

~そもそも資本主義自体、少数の人間が利益を独占するシステムでした。世界総人口のうち豊かになれる上限定員は15%前後、20世紀までの130年間は先進国の15%の人々が残りの85%から資源を安く輸入してその利益を享受してきたわけです。~

~現代の先進国にはもう海外に「周辺」はありません。そこで「資本」は国内に無理やり「周辺」を作り出し、利潤を確保しようとしているのです。今や世界のあらゆる国で格差が拡大しているのはグローバル資本主義が必然的にもたらす状況だと言えます。~

少し前だが、私が愛着を持って利用している地元スーパーが経営難のために、大型ディスカウントショップと業務提携することになった。その大型ディスカウントショップは、まさに「安さ」だけが売りの、所狭しと商品山積みの店である。

地元スーパーこそまさに中流の象徴だ。そしてディスカウントショップのターゲットは低所得者層だ。地元スーパーがなくなったからといって百貨店やデパートを利用するのはあり得ない。落ち込んだ中間層は必然、低所得者層に向かわされる。グローバル資本主義の浸透とはこういうことなのだ。世の中が大きく変わらない限り、受け入れざるを得ない。