読書『ブラック企業』Ⅶ

うつ病、という言葉が続く。ブラック企業によってうつ病にされる若者は、それほど多いのか。

~本当に必要なことは、若者がうつ病にされたり、殺されてしまったりする前にブラック企業の体質を改善することである。そのためには一人一人が戦略的思考を持ち、さらにはブラック企業そのものを変えていくために労働法と団体交渉を利用すべきなのだ。~

組合として、病んでしまった人の相談を受けることもある。それも大切だが、それを予防する活動も必要だ。うつ病にされる前に、学校の体質を改善するということ。

~彼らに選別され、使い捨てにされた若者がうつ病に苦しみ、その治療の負担は日本市民の税金、社会保険料で賄われる。~

こういう考えが大切だと思う。うつ病になってしまったその人だけの問題ではないのだ。納税者である我々も間接的に被害を受けているのだ。

~若者の企業に対する信頼を社会総体の中で解体させてしまったことにこそブラック企業の罪悪がある。労働モチベーションの低下と、転職を繰り返すことによる疲弊は結局は社会全体の生産性に跳ね返ってくるのである。~

夢がかない教職に就いたはいいものの、膨大な仕事を丸投げされ、保護者からのプレッシャーをかけられ、ついには心身を壊してしまう新任を何度も見てきた。ブラック企業も学校現場も似たようなものだと思う。