映画『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』

グレース・オブ・ゴッド 告発の時 (2019)GRACE A DIEU/BY THE GRACE OF GOD
監督 フランソワ・オゾン

名作『悪人伝』の後、30分後に鑑賞。『悪人伝』を上回る高評価である。

『悪人伝』とは色的には全く違うのだが、基本的に同じなのではないか。どちらも、悪に対する戦いなのだ。そしてどちらも実際に起きたことだ。『悪人伝』は動でありドラマティックだが、本作品は、静であり事実をたんたんと伝えている。

教会の中で起こるはずのない事件。加害者は聖職者、神に仕える者。それゆえに被害者も「もしかしたら自分が悪いのかも」と思ってしまうのだ。そして被害者の親も、偉大な神を前にどうしたらいいか分からないのだろう。

主人公に向けられた最後の問いかけは、そっくり私に投げかけられている。だって仏教でも同じでしょう。

途中で聖職を教職に読み替えていた。私とて教職を完ぺきにこなしてきたわけではない。まったく自信はない。たくさんのミスや過ちがあった。教え子たちを傷つけてきたかもしれない。もし今後、指摘されたらきちんと謝罪しようと思う。「あの頃より少しはマシになったな」と思ってもらえるように努力することを約束する。