読書『アサーション入門』Ⅶ

 

自分にとって興味深い文章がまだ続く。

~忘れてはならないことは、人はそれぞれ自分の意見や気持ちを持っていますのでアサーションを知っていようといまいと、あなたに同意するとは限らないということです。また、自分の思いをうまく言えば主張が通るとか、配慮すれば相手が同意するといったことは原則としてない。~

自分と考えが違うということに腹を立ててしまうときがある。アサーションとは、説得の方法ではないのだな。

思えば、私は教育活動を進めるうえで、子どもをいかに説得するか、いやいかに説き伏せるかばかりに重きを置いていた気がする。

~「なぜ~?」「どうして~?」という表現には理由など聞くつもりはなく、問答無用で責める意図が含まれやすいのです。理由やいきさつを聞きたいとき、「なぜ~?」「どうして~?」は使わないでどのような言い回しができるか考えてみましょう。たとえば、「いきさつについて知りたい」とか「聞かせてほしい」と伝えることでしょうか。~

他の本でもこのような内容を見たことがある。ふだん反射的に使ってしまう言葉が、相手にとってはプレッシャーを与えてしまうのだ。こっちは全然そんなつもりはないのに。

~「当たり前」「はずだ」「当然」という言葉を借りることによって…自分の思いや考えでしかないことをあたかも世間の常識であるかのように言うわけですから、正体不明の他者の力も借りて説得しようとするやり方でもあります。力の弱い世間のことをよく知らない子どもなどは、この言葉に振り回されることにもなります。~

「他者の力も借りて」か、確かにそうだな。我々はあの手この手を使って(この場合、手ではなくて言葉だが)どうにか子どもを従わせようとするのだ。それこそ、それを「当たり前」のようにしていた。

では、そうならないような方策はあるのか。

~自分の気持ちを明確にして伝えることを「私メッセージ」と言います。…より素直で決めつけに聞こえないメッセージを発することができるようになるでしょう。~

世間の常識とか、学校のルールとか、他との比較ではなく、自分の気持ちなのだ。もっともっと自分の気持ちを素直に伝えないといけない。