自立が苦手な人へ―福沢諭吉と夏目漱石に学ぶ (講談社現代新書) 2010/6/17長山 靖生 (著)長山/靖生
著者は「1962年、茨城県生まれ。評論家。歯学博士」だそうだ。 メッセージに、自立について徹底的に考え、生活と社会を立て直したい、とある。
著者は「1962年、茨城県生まれ。評論家。歯学博士」だそうだ。 メッセージに、自立について徹底的に考え、生活と社会を立て直したい、とある。
ー工夫の方向は二つある。ひとつは不公平な社会のあり方を変えるために社会に働きかける運動をすること。もう一つは不公平な社会でも自分にできることをやっていくことー
以前まで私は組合の立場を使って、多忙な職場を変えるために闘っていた。しかし復職以降、そんな気にならなくなった。自分で働き方、考え方を変えることにした。
ー贅沢になるということ、すなわち消費の拡大は人間の生活を楽にするかもしれないが、それは同時に、人間が知恵を巡らし、感覚を研ぎ澄ます機会を奪うことをも意味する。物質文明の進歩は皮肉にも多くの人間に思考力の低下と感覚の鈍磨をもたらしたのである。ー
豊かになるとハングリー精神がなくなるともいう。確かに何一つ不自由ない生活ならば改善や工夫という思考力も低下するだろう。我々中高年世代でも、すでに恵まれている。だから年齢が下がるほど、思考力も弱まっていると言える。
ー彼らが自立していたからだ。彼らはそれぞれ仕事や自己の在り方をめぐる世間との交渉においてイニシアティブを取れるように自己の価値を高める努力を積み上げていた。真の自立とは選択権を自分の側が握るということ。ー
言い換えれば、自己の価値を高める努力を積み上げねば、自立できないということだ。
学校で学んで課程を修めることだって自己の価値を高めることだ。学校教育の必要性はここにもあるのだ。