読書7-11『ゴールをぶっ壊せ』(影山 ヒロノブ)

ゴールをぶっ壊せ - 夢の向こう側までたどり着く技術 (中公新書ラクレ)  – 2018/1/9
影山 ヒロノブ (著)

今日から新学期。無難なスタートだ。ちなみにジョギングで通勤。今年はその回数を増やそうと思っているのだ。

昨年、水木一郎が亡くなった。著者は同じ、アニソンシンガーだ。自分の世代としては、水木の方が断然ストライクである。著者を嫌いというわけではない、ただ馴染みがないというだけだ。

~アニソンシンガーとは、現実ではない世界を歌う仕事です。架空の世界であろうと、歌を聴いているうちに実在しているように感じさせる。リアルじゃないものにリアリティを与える。それぐらいの説得力と強さのある歌が歌えなければ作品の足を引っ張ってしまうのです。~

歌い手はこのような心意気で歌っているのだ。ただ聞き手は大方子どもであり、アニメ映像を見ながら歌を聴いている。あまりリアルとかリアリティとか考えてないと思うけど。でも歌い手は、それだけ多くのエネルギーを届けているということだ。

~「チームで仕事をしている以上、みんなを盛り上げて、とにかく現場を明るくしろ」「世の中のどんなものだろうと、元気でやれば、70パーセントくらいの物事は成功する」とにかくポジティブであること、そして何があろうと元気を忘れなければ目標は達成できる。~

元気と言えば「元気があれば何でもできる」のアントニオ猪木を思い出す。これも昨年逝った人だったな。ただ、私はアニソンは大好きだ。ギターの弾き語りを家でこっそりやっているが、最近のトレンドはアニソンなのだ。アニソンは元気が出るのだよ。元気なんて言葉、今はハヤラないのだろうけど、我々世代に一番フィットするし、大切なものなんじゃないかな。(R5.1/10記)

 

読書7-10『1秒もムダに生きない 時間の上手な使い方』Ⅻ

昨日の座禅の場では、頚椎症の痛みをなんとかしたい、姿勢をよくしたい、秋田県へのロングドライブを今年の抱負として伝えた。今日は3連休最終日。明日から3学期。仕事が本格的にスタートする。

今回で終わりにしよう。

~挫折は、短期的には停滞であり、時間の無駄ではありますが、屈することのない魂が、長期的にはこれを「ちゃら」にすることも多いと思うのです。~停滞や挫折を許容し待つこと。時間と居場所が停滞しているように見える人に与えられていること。そういうものを、未来の時間の不確定さを目の前にして、提供し続けたいなあと思うのです。~

私は、子どもの前では「失敗は誰でもする」は、口癖になっている。気にするな、と励ましているつもりである。挫折も失敗も同じだと思う。

~僕らは皆、代替可能な存在、ディスペンサブルな存在なのです。あなたがいなくても、誰も困らない。僕がいなくても、世の中は困らない。~

これがなかなか分からない。働きすぎて疲れ果て、本当は休むべきなのに、「自分がいなければ迷惑がかかる」と思い休めないのだ。そして結局、再起不能なほどのダメージとなってしまう。自分を唯一無二の存在だと思ってしまう。そして存在意義、存在価値を高めようとする。そこに陥ってしまうのだ。

~一番エネルギーと心を尽くすべきは「ぼくがいないと困る人」つまり家族に対してだと思います。会社と家族を選ぶなら、ぼくなら後者を選びたい。ぼくがいなくなって一番悲しい人のために貴重な時間をできるだけ費やしたい。~

~仕事は価値の一つではありますが、価値のすべてではありません。家族を犠牲にして仕事の成果をあげることが正当化されるとは限りません。そもそもそんな人生をわれわれは望んでいるのでしょうか。~

同感だ。私は同感できるまでに、20年以上を費やした。もちろん仕事を疎かにしているつもりは全くない。(R5.1/9記)

 

 

映画『非常宣言(2022)』

非常宣言(2022)EMERGENCY DECLARATION 監督 ハン・ジェリム

近所の喫茶モーニングをすませ、ジョギングで市内の劇場へ向かう。鉄板の韓国映画だから、面白いものだとまったく疑っていない。特に下調べもしなかった。

約2時間半、十分に楽しめる作品です。最初から重苦しい音楽が流れ、クライシスの予感が高まる。子連れのおっさんはどこかで見たことがあると思ったら、『RED』のイビョンホンではないか。オーラを上手に消しているが、やはりいい役どころだ。そして、刑事のおじさんもなじみがあると思ったら『パラサイト』のソンガンホだった。そしてあまり大臣らしくない女性はと言えば、カンヌの女優賞をとった人らしい。要するに、それくらいキャストもえぐいのだ。

豪華俳優陣に劣らず映像もダイナミックだ。特に旅客機が廻旋落下するところは開いた目も口も塞がらなかった。韓国映画がハリウッドと引けを取らないのはこういうところだな。

最初から最後まで、緊張の連続で、かえってマヒして眠くなるところもなくはないが、正月映画のナンバーワンだと言っていいと思う。(R5.1/8記)

 

映画『パラレル・マザーズ(2021)』

パラレル・マザーズ(2021)MADRES PARALELAS/PARALLEL MOTHERS 監督 ペドロ・アルモドバル

午後は撮りだめた写真を近所のカメラ屋でプリントアウトをしてから、隣市のミニシアターへ向かった。サイトの評価は高くないが、週刊誌では結構好意的な評価を得ていた作品で、いつか観ようと決めていた。

どことなくB級臭ただようのだが、実は深いという作品である。産科が子どもを取り違えるなんて現代でも起こるのだろうか。たとえ短い間でも自分が抱いた我が子のはずなのに。賛否はともかく、2人の母親が「パラレル」の意味だろうが、若い母親とその母親、そしてヒロインが愛した男性と若い母親、また表面的な物語と、その根底に流れる大きな物語。これらもパラレルなのだろうなと思った。

赤ん坊の取り違え自体、私にとってとても刺激的で、ヒロインと若い母親が新しい家庭を作るのかと思ったがそんな単純ではなかった。そんな男女や女同士のドラマにとどまらず、「スペイン内戦」の爪痕に対し、遺族の子孫がどう向き合っていくかというのが主テーマなのだ。どこの国でも、負の歴史を持っていると感じた。(R5.1/7記)

 

読書7-10『1秒もムダに生きない 時間の上手な使い方』Ⅺ

朝から、整形外科で診察。今の病状をもっと精査するために、MRIを行うことになった。どうやら近所の整形外科では手の打ちようがないようだ。数年前の腰痛もそうだった。町医者の限界か。

休養でも、休憩でもない、休暇も大切なのだ。

~ときどききちんと休暇も取らないといけない。休暇は自分を見つめ直すよい機会です。毎日のルーチンワークを忙しく繰り返していると「思考停止」に陥ってしまいます。それ以外の発想が全く浮かんでこなくなるのです。改善のチャンスが生まれなくなってしまうのです。「独りよがり」に陥っている人が多いです。~

休憩ではあまりにも時間が少ない。休養は身体上の疲労回復がメインだ。やはり休暇こそが大切なのだ。「自分を見つめ直す」とは言うは易し。だが意外に難しい。自分を見つめ直そうと努めて出来るものでもない。ある程度の時間的なゆとりがあり、自分を埋没させていた仕事から距離を置かないと「自分を見つめ直す」なんてできないと思う。探そうと思って見つかるのではなく、知らぬ間に気づいているものだと思う。だからこそ、まとまった休暇が必要なのだ。

~休暇をとるというのは普段の生活のパターンに「ずれ」を意図的に生じさせるさようです。いつもの自分を見つめ直し、普段やっているルーチンワークが本当にそれでよいのか、という迷いの気分を心に入り込ませるチャンスでもあります。~

~昭和初期の日本は月月火水木金金と歌を歌い、不毛な太平洋戦争を戦いました。月月火水木金金の態度はあんなに愚かな判断を、取り返しのつかないくらいの愚かなパフォーマンスををもたらした。~

自分の行為に対して、迷うこと、疑うこと。それは見つめ直すことと同義なのかもしれない。(R5.1/7記)

読書7-10『1秒もムダに生きない 時間の上手な使い方』Ⅹ

時間を上手に使うためには「休養」が大切なのである。

~適度な休養は労働の自己目的化を回避し、自身のパフォーマンスを最良にするためにはとても大切なことだと思います。けれども多くの日本人が「自らのパフォーマンスを下げてでも」疲労し尽くすまでがんばってしまいます。アウトカムを出すことよりも、がんばって疲労し尽くすことが目的化しているからです。がんばることは大切ですが、がんばるのは手段に過ぎません。~

休養の大切さを知るとともに、目的と手段の意味を思い知る。目的は「アウトカムを出すこと」、「がんばる」のは手段。もしや自分はただ「がんばる」ことに注力していやしないか。あまりアウトカムを意識していないのではないか。自分は成果をだしているのか。成果を出すことが第一義ではなかろうか。

「自己目的化」という言葉も意に留めよう。よく「目的と手段をすり替えている」という。

~うちのチームは当直明けの翌日の勤務は「禁止」しています。1週間のうち必ず24~48時間、仕事から完全に離れることを「義務」としています。僕のチームでは研修医の休養を「権利」として与えるのではなく、「義務」にしているのです。~

休養が義務だなんて。本当に素晴らしい考えだ。

~他者の眼差しから自由になり、自分の体や頭が訴えている「俺は疲れているよ」というメッセージを聞き逃さず、きちんと休養をとること。このことが明日の僕らのパフォーマンスをさらによいものにすることに寄与します。自分の体や心に耳を傾け、うまく休養をとるのが大切だと思います。~

休養という言葉の意味が大事だ。休み、養う。ただ休むのではなく、自分のパフォーマンスを出せるように整えておくことなのだ。私は仕事以外の時間に、ジョギング、読書、映画など楽しみの時間をバンバン入れてしまうが、それって見直した方がいいのかもしれない。(R5.1/4記)

映画『ラーゲリより愛を込めて(2022)』

ラーゲリより愛を込めて(2022)監督 瀬々敬久

今日から仕事始め。久しぶりにジョギングで通勤する。子どものノートづくりなど雑事を済ませて午前中で切り上げる。帰りにもジョギングをしながら、今年は週2回、ジョギング通勤に挑戦しようかと思い至る。帰宅して、一昨日のすき焼きの残りに卵を入れてリメイク。結局平らげてしまい、後悔。ああ、つまらないことに紙面を使ってしまった。

市内の劇場へ向かう。ポイント使用で無料。結構久しぶりの映画鑑賞だ。某サイトで高評価だったのだが、なんとなく展開が分かっていて、今まで鑑賞に踏み込めなかった。だが、とてもよい映画。感動作である。

戦争映画は数多くあれど、シベリア抑留に特化したものは少ないのではないか。捕虜になっても軍隊の上下関係などが残されている(というか利用されている)のに驚いた。また収容所を変われば、体制も変わるというのも驚きだった。

クライマックス、私も自分の家族のことを思い浮かべていた。ちょうど年末年始、家族で集まったからだ。自分はそんなにいい言葉を残せない。ただただその時間を大切にしなくては、と思うだけだ。年の初めに、素敵な映画を観ることができた。あまたの映画たちよ、今年もよろしくな。(R5.1/4記)