読書『「論語」に帰ろう』Ⅲ

まだまだ徳は続く。

~「信」人物や品性、真摯さで人を心服させること。~

この徳はある意味、受け身的な考えだ。「信」は信用する、信頼する、というこちら側の意味ではない。信用される、信頼されるということ。

~「この上司なら、ついていこう」と思う最大の動機は、孔子ドラッカーの指摘のように「人柄」や「品性」、「真摯さ」に尽きるところがあります。~

人柄も、品性も、真摯さも、どうも自信がない。信頼されているとも、信頼されていないとも思えない。あまり友達がいないから、信頼もされていないだろうな。

なぜ自信がないか。一例つぉいて、自分は決まり事についての規範意識が薄いのだ。通勤やジョギングで信号さえ守れないことがあるのだ。「ど真ん中」を生きなくては、という心よりも、アウトローを好んでしまうことがあるのだ。「人柄、品性、真摯さ」とは、私にとって戦いでもあるのだ。

~「人柄」、「品性」、「誠実さ」を支えるのは、その人の感情と理性のバランスなのです。身にならない知識よりは感情のコントロールをもとにした品格ある行動こそ、リーダーに求められる、これが孔子の考え方でした。~

今になって思い返すと、自分は感情を爆発させてしまうことがあった。私は身にならない知識ばかり追い求めているのか。もっともっと感情をコントロール、というより感情を抑えることに努めねばならないのだろう。まだまだだなあ。(R4.1/14記)

読書『「論語」に帰ろう』Ⅱ

「仁」や「恕」のほかにも徳がある。

~「義」こそ、「仁」の弱点を補う徳として浮かび上がってきたものでした。「義」みんなのため。~

みんなのため、という気持ちが家族や国への愛につながるのだろうな。調べると仁と義が儒教道徳の根本理念とある。

~「知」「仁」「勇」こそ、まずはリーダーに欠かせない徳なのです。~

~「知」知っていること/知らないことの区別ができること。「知らない」というのは往々にして本来「知っているべきこと」が、努力不足によって「知らない」状態になっているだけの話~

「知」は知識、知っていることではないのだ。この「知」は、謙虚なイメージがある。自分が何が知らないか、ということがわかれば、努力することにもつながる。

~「勇」リスクをきちんと計算し、引くべき時には引いて、結果を出すこと。~

「勇」は勇ましさとかではない。冷静な判断というイメージ。確かにリーダーともなれば感情に左右されずに常に的確な判断をしなければならない。

~「知」「仁」「勇」という3つ揃いの徳は、いずれも「実行のために特別な才能などいらない」点で共通しています。孔子の教えは、いわば「平凡を極めた非凡」、我々凡人でも手の届く高みを示し得た点に凄みがあるのです。~

平凡でもいいのだ。平凡を徹底的に極めることが大切なのだ。自分は非凡であることを追い求めていた。今や、私は平凡でも非凡でもどちらでもいいというか、その尺度に関心が持てなくなっている。それでいいのだ。(R4.1/13記)

読書『「論語」に帰ろう』(守屋淳)

論語」に帰ろう (平凡社新書)  2009/1/11守屋淳  (著)

孔子が唱えた徳の意味が記されている。

~「仁」愛する対象を「自分→家族→国」へと広げること。人を育み、人に育まれること。自分や自分たちの世代だけが幸せであれば良いと満足するのではなく、子々孫々も含めた幸せを考えるという意味も「仁」には含まれているのです。~

仁という徳はとても尊いな。国というのはいわゆる「愛国心」の国ではないのだろう。世界という意味での国なのだろう。それが今の世代だけでなく、子々孫々までの愛であるのなら、「仁」は空間軸、時間軸という縦横に広がる愛なのだ。

孔子にとって「仁」とは他に代えがたい最高道徳でした。~

まさにそうだろうな。

~「恕」自分のしてほしくないことを他人にはしないこと。「己の欲せざるところ、人に施すことなかれ。」~

「恕」は、よく聞くし、小学生でもわかることだな。わかるとできるは違うけど。

孔子は、まず「恕」を徹底的に積むことによっていわば自分の人間性を高めて、最終的に「仁」ににじり寄ろう、そんな道筋を想定した。~

「恕」あっての「仁」なのだ。まず他人にいやな思いをさせるな、世間に迷惑をかけるな、それが前提にあって「愛する」という次元に近づける。ただ愛だ、愛だと求めてもだめだ。(R4.1/11記)

映画『決戦は日曜日 (2022)』

決戦は日曜日 (2022) 監督 坂下雄一郎

この三連休、結局毎日映画を観ることになった。朝食後すぐに市内の映画館に行き鑑賞。評価はほどほどだが、ほかによさげなものがなくて決定。

感動というものはない。異色作というところか。我が国の政治家、選挙といった悪しき実態を垣間見ることができる。ああ、だから日本の政治(家)は変わらないのだなという気持ちになる。

まず、男系社会だということ。我が国の女性蔑視は政治が変わらないからだ。女性候補は話題性でしかない。夫婦別姓など、まだまだ先の話だと思った。

そして、情報化社会は決して良いものではないということ。次から次へと押し寄せてくる情報に流されてしまう。腰を据えて取り組まねばならむ問題も、新しい情報にかき消されてしまうということ。

そんな政治や社会を変えるには、自分の持つ一票でしかないのだが、どちらかというと無力感を感じることになった。実態を知るにはいい作品です。(R4.1/10記)

読書『人生を面白くする 本物の教養』13

今回で終わりとしよう。

~自分のやりたいことをやる人生が一番素晴らしいと思っているのです。仕事であれば、ひたすらそれに打ち込めればいいし、仕事でなければ、ライフの方を充実させればいいと思います。ただしライフを充実する場合であってもプロ(一社会人)である以上は、期待された仕事はきちんとやりきることが前提であるのはいうまでもありません。~

私はライフを充実させたい。もちろん仕事をきちんとやりきったうえでだ。そのために、私は仕事を勤務時間内に収めることにしているのだが、それができるのも、かつては寝食を忘れるほど仕事に打ち込んだ経験とそれで培われたスキルがあるからかもしれない。だから、すべての世代の教員に、勤務時間を守れとか、ワークライフバランスを考えろとか言ってはならない。

~結局、心を込めていないことは、何をやっても意味がないのです。ビジネスは本気かどうかがすべてです。~

私は仕事をきちんとやりきったつもりになっているだけかもしれない。ビジネスに限らず「本気で、心を込めて」を肝に銘じておきたい。

~従業員は企業に過剰適応してほしくありません。一人ひとりが主体的に行動し、自分の人生や家族、友人を大切にし、「自分の頭で考える」生き方をしてほしいのです。~

~私たちはもっとメリハリのある生き方をしなければならないのです。職場や仕事に従属した意識を改める一方、合理的な仕事の仕方によって極力無駄を省き、その分私生活を充実させる生き方にシフトすべきです。そうすれば、おのずと人生の手ごたえが感じられてくるのではないでしょうか。~

仕事に人生を奪われたような生き方はしたくない。(R4.1/10記)

映画『ミュジコフィリア (2021)』

ミュジコフィリア (2021) 監督 谷口正晃

3連休の中日。結構な時間を使いカードの不正請求問題に対応。いつも通り自転車でミニシアターに向かうも、ペダルを漕ぐたびに不穏な音が鳴り続けた。故障の前触れかと思いつつも引き返せずにそのままたどり着く。途中、コンビニでコーヒーとハンバーガーで腹を満たす。

本作は漫画を原作にしたそうだ。予告編を観て興味がわき、高評価なので鑑賞を決定。しかし、期待外れだった。「現代音楽」という物語の入りとしては面白かった。だが物語が進むにつれ、違和感、引っかかる部分が増えていった。

「松本はピアノ科なのになぜ歌を歌うのか」「井之脇と山崎は仲が良かったのになぜ喧嘩別れしたのか」「あの父親は学長(?)としてふさわしいのか」「山崎はなぜ自分の失態を井之脇のせいにするのか」などなどである。

きっとこれは原作を映画をするにあたり時間的な制約もあり、それぞれのキャラクターを描き切れていないということもあるのだろう。この映画の主題も、現代音楽あり、恋愛あり、異母兄弟の確執ありで絞り切れなかったのではないだろうか。

朝からあまり良き日ではなかったのだが、シアターを出たとき、座禅でよくご一緒させていただく方と偶然出会い、言葉を交わした。それが収穫だ。なお、くだんの自転車は入院する羽目になった。(R4.1/9記)

 

映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム (2021)』

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム (2021) SPIDER-MAN: NO WAY HOME

監督 ジョン・ワッツ

ついに、ついに公開、スパイダーマンの最新作だ。座禅を終えた後、朝食、家人が実家に行くので駅まで車で送り、そのついでに市内の映画館で座席を確保。1時間もジョギングをしたのち、再度映画館に向かう。劇場はなんとほぼ満員。自分の隣に客がいるなんて実に久しぶりだ。コロナ前の古き良き映画館を思い出した。やはりスパイダーマンは別格なのだ、鑑賞すること自体がお祭りなのだ、と感じた。

作品自体も申し分ない。完璧な作品だと言い切れる。本作はもちろん、歴代作品を観てきた「スパイダーマン通」も満足させられる作品だ。

歴代のヴィランが登場することは予告編で知っていた。だが。もう先は書かない。本作だけではない、歴代の作品の諸々も回収しているのは見事としか言いようがない。

泣かせる部分もたくさんある。それも、歴代の作品を思い出し泣けてくるのだ。感動、驚嘆、興奮、郷愁。それがすべて味わえる。こういう映画も不朽の名作と言っていいと思う。おススメしなくても観ると思うけどね。(R4.1/8記)