読書『「論語」に帰ろう』(守屋淳)

論語」に帰ろう (平凡社新書)  2009/1/11守屋淳  (著)

孔子が唱えた徳の意味が記されている。

~「仁」愛する対象を「自分→家族→国」へと広げること。人を育み、人に育まれること。自分や自分たちの世代だけが幸せであれば良いと満足するのではなく、子々孫々も含めた幸せを考えるという意味も「仁」には含まれているのです。~

仁という徳はとても尊いな。国というのはいわゆる「愛国心」の国ではないのだろう。世界という意味での国なのだろう。それが今の世代だけでなく、子々孫々までの愛であるのなら、「仁」は空間軸、時間軸という縦横に広がる愛なのだ。

孔子にとって「仁」とは他に代えがたい最高道徳でした。~

まさにそうだろうな。

~「恕」自分のしてほしくないことを他人にはしないこと。「己の欲せざるところ、人に施すことなかれ。」~

「恕」は、よく聞くし、小学生でもわかることだな。わかるとできるは違うけど。

孔子は、まず「恕」を徹底的に積むことによっていわば自分の人間性を高めて、最終的に「仁」ににじり寄ろう、そんな道筋を想定した。~

「恕」あっての「仁」なのだ。まず他人にいやな思いをさせるな、世間に迷惑をかけるな、それが前提にあって「愛する」という次元に近づける。ただ愛だ、愛だと求めてもだめだ。(R4.1/11記)