映画『 無聲 The Silent Forest(2020)』

無聲 The Silent Forest(2020)無声/THE SILENT FOREST 監督 コー・チェンニエン

我が家では時期遅れのひな祭り会が予定され、その準備のために自転車は使わなかった。スーパーでランチパックを2つ買い、マイカーで隣市のミニシアターへ向かう。最前列を陣取り、何気に振り向くと、知った顔。幾分か動揺を隠せずに鑑賞した。

物凄い映画だ。心にぶっ刺さりの映画だ。ディープインパクトな映画だ。いじめ問題、障碍者問題、性暴力問題、隠ぺい問題、一筋縄では解決しない深い闇を暴き出す。いじめであっても、性暴力であっても、それは連鎖するのだ。そして、障碍者への差別意識が根底にあるから、なかなか解決に向かわないのだ。

性暴力を受けても、いじめを受けても、そこにいたいという被害者。健常者が住むこの世は障碍者にとって性暴力やいじめよりも恐ろしいということだ。献上であることを当たり前とし、障碍者を受け入れていない。障碍者の心情をわかろうとしない。

私にも孫がいる。孫がそんな目にあったらと思うと、被害者が気の毒で気の毒で涙なしでは観られなかった。すべて暴け、膿を出せ、出し切れ、と呟きながら、我々は正義感で立ち向かうしかない。そして、指導者は、障碍者に理解ある者がならなくてはならないという気持ちを強くした。(R4.3/13記)