映画『山女(2023)』

山女(2023)98分 監督 福永壮志 制作国 アメリカ、日本

『ぼくたちの…』終了後、すぐに本作を鑑賞。暗闇の中、劇場に入り最前列に座り、音を立てないようにおにぎりを食べる。

主演は山田杏奈。最近テレビで観ないなと思っていたら、こんなところで活躍しているじゃないか。『ひらいて』は刺激的なシーンがあったが、本作もそれを匂わせるシーンがあった。そういうのに縁があるのかな。

舞台は東北の山村である。ロケ地は山形県だったらしい。私も先日、山形に行ってきたので、とても親近感がわいた。

時は18世紀の東北地方。本当に貧しかったのだろうが、それより感じるのが男尊女卑の社会である。赤ん坊を生んでも女は役に立たない。天気が良くなることを祈り、神に女を差し出す。そうして女性の命が犠牲になってきたのだ。

しきたりにとらわれて神頼みをする村の連中と、山に籠り自分の力だけで生き延びていく者が対比され、村社会の非情さを際立たせている。なかなかおもしろい作品でした。

(R5.8/17記)