映画『リバー、流れないでよ(2023)』

リバー、流れないでよ(2023)86分 日本 監督 山口淳太

『小説家…』を観終わりロビーに出ると、長蛇の列。なんと次に上映される本作を鑑賞する客たちだ。いつもガラガラの席なのにこんなことは滅多にない。私もすぐにその列に並んでチケットを買い求めた。あらかじめ買った菓子パンを食べて鑑賞に臨んだ。

監督は山口淳太。36歳。とても若い。「群像コメディの映像作品を作りたいと決意」とあったので本作はピッタリだと思う。注目俳優は藤谷理子。とても印象深く可愛い女優だ。調べて分かったのだが、本作の舞台となる旅館はこの女優の実家だとか。

おもしろい作品である。この劇場に長年通っているが、こんなに客が入ったのは、『映画大好きポンポさん』以来ではないだろうか。だがそれもうなずける良作だと思う。

まず、テンポがいい。2分間のタイムリープという設定が、ドタバタ感とともに、ハイテンポな展開を作り上げている。そしてタイムリープから抜け出る方途の意外性がいい。そしてやはり、主演女優の魅力だ。彼女の可愛らしさ、いじらしさ、健気さが観るものを惹きつけ離さない。観た後、爽快感に包まれる映像体験が待っています。(R5.7/30記)