映画『いとみち (2021)』

いとみち (2021) 監督 横浜聡子

隣市のミニシアターで観賞。家人と観るつもりだった『竜と…』がおじゃんになったので、予定通りミニシアターで。出発前に、ネットで座席予約をし、50分かけて自転車でいった。この作品も高評価だったので、いつか観ようと決めていたのだ。

青森を舞台にした映画である。バンバンの津軽弁で正直何を言っているか分からないところが幾度もあった。ある意味、普通の少女の物語である。メイドという展開だって、特筆するものでもない。主人公も登場人物もいたって普通である。だがその普通の人生を地道に、精一杯生きているのである。そこには普通であるからこその感動がある。

主人公の父親役を豊川が上手に演じている。父親は少女と正面切って対決するのではなく、威厳のある父親風をふかすわけではなく、その人らしく少女と渡り合っている。その他にも、周囲の人物が主人公に本音でぶつかってくるシーンがたくさんある。それも印象的だ。

揺さぶられるほどの感動はないが、心地よい、爽やかな風が通り過ぎていく、そんな映画です。(R3.8.21記)