読書『働く。なぜ?』Ⅱ

筆者独特の言い回しがある。

~「しごと壁」:「仕事そのもの」の意味合いで使われているときの仕事~

~「しごと穴」:「仕事を通じて」という意味合いで使われているときの仕事~

「壁」「穴」という表現が自分にはフィットしないのだが、それはさておき、自分にとっての仕事は「しごと壁」でしかない。だから正直、「しごと穴」にいやらしいものを感じてしまう。仕事は自分の労働力と対価交換に報酬を得るものだ。「仕事を通じて」と切り出されると、報酬以上のものを得ることを強制されているような気になる。

~まずは「しごと壁」に専念する。そこで認められ、そこで食えるようになる。それが先決です。ただ、そこで止まっていてはいけない。それでは世の中に働きかけることはできず、生きがいに生きることもできない。~

断わっておくが、自分は30年以上教職を続けているが、つい3年前までは「しごと穴」を目指していたのだ。

だが、今の自分にとっては「食えればいい」。世の中に働きかけるなんてたいそうなことは考えていないし、生きがいになどしてはいけないと思っている。もう冷めてしまっているのだ。

~「しごと穴」には「しごと壁」(仕事そのもの)もしっかりやるが、それをやりぬいたうえで、そこにとどまらない覚悟がさらにあります。~

だから、働きだした若者に対して使う言葉なのだと思う。(R4.2/2記)