映画『映画大好きポンポさん (2020)』

映画大好きポンポさん (2020) POMPO: THE CINEPHILE 監督 平尾隆之

2カ月ほど前だと思うが都市へこの映画を見に行った。そして泣けるほどの感動を味わった。実際、泣いたし、もう一度観たいと思っていた。その願いが通じたというわけではないだろうが、今、隣市のミニシアターで上映されている。

この映画、二度目の鑑賞である。お盆休みの日曜日、ミニシアターはコロナ禍と考えれば満席と言っていいだろう。この映画のよさは、一度目に書いているので、今回は気の付いたことを書こうと思う。

それは、この映画の主張である。この映画の中心は、主人公が膨大な撮影時間を編集で90分にまとめるところである。少女の初カットであろうと、作り手の思い入れあるシーンだろうと遠慮なく切っていく。それは家族とも別れたマイスターの生きざまにも重ねられている。そう、何もかも追い求めてはいけないのだ。大事なものはそんなに多くはない。自分がどうしても譲れないものだけを大切にすればいいのだ。

そして映画は、作り手自身の生きざまが、込められているということ。だが、それは作り手の生きざまを観る者に押しつけているのではない。観ることによって観客それぞれの生きざまを見つけられるのだ。映画というものは、奥深いところで自分自身を見つけられるものなのだ。ポンポさんの表情がそれを物語っている。

隣市でやってるよ。観てない人は観るといいよ!(R3.8.16記)