読書『 釈迦とイエス 真理は一つ』Ⅳ

「諦」や「隣人愛」の考え方をどう生かすか。

~ついには日本の賃金と同じレベルに到達するまで資本の流出は続いていくと思われます。そのことで危機感を提唱する人は民族主義にとらわれているというべきではないか。民族にこだわることは無意味です。隣人を愛し、時には敵のために祈る。アガペーの愛と慈悲の心を持って世界を見渡せば、人類はすべて隣人であり、兄弟である。~

今の日本の状況を明らかに見ろということだ。もう日本は先進国ではない。金持ち国家でもない。「沈みゆく国」なのだ。グローバル化が進むにつれ、経済水準も均されていく。その流れには抗えない。自国最優先の考えは諦めねばならない。他国となかよくやっていくことを優先せねばならないのだろう。

~昔の日本人の多くは働くことに喜びを感じていたはずです。ものを生産する喜びというのもあります。お客様に喜んでいただくことが自分の喜びということもあります。会社や職場を一つのチームと考えればチームの一員として働く喜びがあります。そんな喜びがあれば、お金などそれほど必要ではありません。~

規制緩和というのは自由化ということです。自由というのは弱肉強食を推奨する原理ですから、競争原理の導入が過度になると、社会に混乱や不安をばらまくことになるのです。その結果として最近の企業やわたしたちの生活からはゆとりが失われたように感じられます。~

「どんどん自由にやってもいいよ。競争だから勝ち負けがあるよね。負けたら自己責任だからね。」それが今の日本だ。こうして、勝ち組負け組、非正規労働者ワーキングプアブラック企業を生み出していった。こんな状況では「愛」など生まれるわけがないな。