読書『「か弱き純真な子ども」という神話』Ⅱ

 

著者はいじめ禁止を否定している。

ーいじめを禁止すると、ある種のコミュニケーション能力はつかなくなってしまう。つまり、人のホンネがわからないということになる。建前の言葉しか聞いてこないわけだから、「場の空気が読めない」ということになる。ー

ー子どもがあるレベルまでのいじめを受けるというのは、社会性を育てるうえである程度必要だ。ー

ー悪口を言うと相手が泣く、悪口を言われてつらくなり、あるいは悔しくて泣く。そのこと自体に意味があると思う。そして「言い返せない奴の身になって考えろ」などそういうふうに教えていくべきであり、「いじめのない学校を作る」なんて馬鹿なことを言ってはいけないのだ。ー

盲目的に「いじめはいけない」と言ってはいけない、社会性が育たなくなるということだろう。指導の必要のあるいじめとそうでないものとを見極めろということだろう。しかし、教員に「見極める」余裕や眼力があるかどうかが問題だ。