読書6-19『広く弱くつながって生きる』Ⅱ

縦の強いつながりの悪癖についてまだ書かれている。

~安定と引き換えに徹底的にからめとる。蜘蛛の巣でがんじがらめにするのが日本の企業や業界の在り方と言えるでしょう。これが強いつながりの基盤です。かつてはそれが終身雇用と相まって安心感を得る材料の一つとなっていました。蜘蛛の巣にからめとられようとそこで頑張るだけの価値はあったわけです。~

「安定と引き換えに」というと、公務員など最たるものだ。教員の私も公務員。「一般企業はもっと厳しい」と言った管理職がかつていた。彼はいったいどれだけ一般企業のことを知っていたのだろう。その頃、「ここまでやらなければならないのか」と思いながら働いていた。つながりというよりも、しばりつけられているような感じだ。

~おもに年配の人は組織や社会の理屈として、若い人に同調圧力をかけます。特に苦労した人ほど、自分と同じ苦労を人に求めたがる習性があります。すべての原因を努力に集約するやり方は社会全体をどんどん不幸にしていきます。~

先日の組合の会議でもパワハラが話題に上がった。パワハラ防止法まで制定されているが、その加害者は、そもそも自覚がないのだ。その構造は、いじめと同じ。いじめる側も、いじめているつもりがないということ。

「なせばなる」「やればできる」と思い込んでいる。努力や苦労なんて他人に求めるものではない。自分がそうならぬよう、気をつけねばなるまい。(R4.8/29記)