読書『大人のお作法』Ⅱ

お金に対する考え方、お金のお作法が続く。

~大きな金を持たないからってそれほど気に病むことはりません。人にとって第一の苦しみである老病死は金持ちにも貧乏人にも等しく訪れるのですから、そのほかの小さい差を並べ立てたところで、実際には大きな違いのないことは、年齢を重ねるごとに見えてきますからね。~

痛み止め注射を打ったので激痛はなくなったが、右腕全体に力が入らないような鈍痛が続く。これも老い。これも病。生きるからこそ、この苦しみからは逃れられない。お金を持っているか、持っていないかなんて「差」ではないのだ。だが、人はつい「老病死」を忘れてしまう。すると「差」に目が行ってしまう。

~いったいいくらの貯金があればあなたは安心なんですか。有意転変の世の中に、金の価値の移ろいも計り知れないというのに、将来いくらあれば安心だと決められるのでしょう。~

老後には2千万必要、とか誰かが言っていた。この際調べてみると、もっと必要だとも書いてあった。有意転変か。どんなに貯金したって、あっという間になくなる、そんなこともあるのかもしれない。

~平均的貯蓄とか平均年収と称するものをうのみにして、それとわが身を引き較べては落胆したり、または慢心する馬鹿らしさ。~

~これからは顔も知らない誰かが試算した憶測を吞み込んで、むやみに不安がるような他人任せの生き方をおよしなさい。そしてもしも何かのめぐりあわせで金に困ったときには、それこそ汗みずくになって我武者羅に稼げばよろしいのです。~

お金の問題でもあるが、それだけではない。仕事でも、容姿でも、他人と比べて一喜一憂。他人を基準にして安心したり不安がったりしている。他人任せというより、他人基準の生き方をどうにかしなくてはならない。