読書『静思のすすめ』(大谷 徹奘)


静思のすすめ (文春新書)  2010/8/20大谷 徹奘 (著)

私は週に一度、禅寺に行き、座禅をしている。宗教に興味を持ち始め、宗教の本も読み始めた。それも自分の大きな変化だろう。

~人間の苦しみの大きな原因の一つは「人間関係」だということです。「いい評価がほしい」「他人によく思われたい」という気持ちからです。コントロールするための訓練が「静思」なのです。~

たしかアドラーも、「人間がかかえる最大の問題は対人関係だ」みたいなことを言っていたな。「すべての問題は他人との比較から生じる」とも誰かが言っていたな。

私はもう他人からよく思われたいという気持ちはほとんどなくなった。自分はもう最低評価でいいとまで思っている。よく思われたいという「我欲」が強いために痛い目に合ったからだ。

~どうしたら私たちは幸せを実感できるようになるのでしょうか。「与えられたものをどう受け止めるか」ということに答えがある。その受け止め方の勉強をすること、それが幸せに生きていくうえで一番大切なことなのです。~

「幸せ」という言葉は結構厄介だ。ほとんどの人は普段は幸せかどうかなんて考えない。不幸な境遇になったときだけ、幸せではないことを感じる。要は幸せが当たり前だという感覚なのだ。しかし、仏教の教えはそうではない。「生老病死」生きること自体が苦しみなのだから。