読書『少しだけ、無理をして生きる』Ⅴ

この本は偉人の生き方を綴った内容だったのだ。

将棋の名人、中原誠さんが出てくる。中原さんは対局中、何気ないふりをしてスッと立ち、トイレに行くふりをしてメモを見るそうだ。メモには実に平凡なことしか書いてない。

~人間というものはある意味、実に弱いものですね。百戦錬磨の名人が、何でもない紙切れ一枚に慰めなり、支えなりを求めなくてはならない。やっぱり人間はいろんな工夫をして弱い自分を支えていかなくちゃならない。~

弱いからこそ、自分を支えている。私も弱い。だがどのように支えているのだろうか。工夫をしているのだろうか。

次は田中正造だ。

~やはり運動のリーダーとしてのクールさというか、大きな器を持っていました。憎い役人相手だろうが、みんなでワーッと怒鳴るんじゃなくて、紳士的に、静かに、そして礼儀正しく、応対しろ。…役人に対してそんな口をきいたことがいつか裏目になって不幸な人生が開けていくかもしれない。言うべきことは言わなくてはならないけど、それはきちんと礼儀正しく、静かに言えば、役人だって悪い感情は残さない。問題が片付けば、しこりを残さないですむだろう。~

私もある団体のリーダーだ。紳士的に、静かに、礼儀正しく、は心がけている。私は他の者よりも熱くなってはならないと自戒している。