読書9‐6『日本人はいつから働きすぎになったのか』Ⅴ

経営者を神のように崇め、自分の身を捧げたのか

今日、大きな行事が終わり、もう年度末まで走り切りそうな勢いで月日は過ぎていくのだろう。3日もジョギング通勤を続けていると流石に足が重たくなる。それでも時折歩きながらも走る。じんわりと汗をかいて帰宅する。

~カリスマ性と宗教性、この2つを通して松下幸之助は日本の企業文化に多大な影響を及ぼしたのではないだろうか。~

松下幸之助の著書は読んだことがある。一代で大企業を創り上げた人だから、とても偉いのだ。松下幸之助のように企業を大きくしたい、という多くの人の憧れの対象だったのだろう。カリスマ経営者であれば、みな勤勉になるような気がする。

~一体世の中はどうしてそうなるんだ、人間とは一体なんなんだ、という煩悶、この問いかけがPHP運動、つまり、PEACE、HAPPINESS、PROSPERITYになっていった。松下幸之助のPHP運動は堂々たる宗教である。~

調べてみたらPHPとは「繁栄によって平和と幸福を」というスローガンだそうだ。みんな平和を求めて、幸福になりたくて、松下幸之助を崇め、たてまつったのだ。今読んでいる本には、我が国には宗教が根付かない云々ということが書かれていた。みな宗教を信じる代わりに、神様のようにカリスマ経営者を信じたのだ。こうして神様に自分の身を捧げるように働く文化につながったのか。

ちなみにPROSPERITYの意味は、「繁栄」だけでなく「(金銭上の)成功」ともあった。儲けることを前提に平和や幸福を求めている。(R6.2/8記)