映画『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ(2022)』

ギレルモ・デル・トロピノッキオ(2022)PINOCCHIO 監督 ギレルモ・デル・トロ マーク・グスタフソン

この監督と言えばアカデミー賞作品よりも『パシフィックリム』だ。彼が、聞き覚えのある物語をストップモーションアニメ映画、というだけでそそられた。実は今日が上映最終日。割り振りで早めに帰り、味噌汁を作ってから、隣市のミニシアターへマイカーで向かった。なんと3日連続の劇場鑑賞となった。

ストップモーションアニメは全然違和感がない。とても精巧につくられ、時間も手間もかかっているのだろうな。ピノキオの物語に、すぐに引き込まれていった。私は、ピノキオの物語は存在は知っているが、内容はよく知らないのだ。だが、ピノキオを利用する者など、結構人間界の裏部分を描くのだな。

ピノキオ自身の成長はもちろんだが、ゼペットの成長もあるのがいい。ピノキオに実の息子の偶像を求めて変えようとする。それは子どものありのままの姿を受け入れられず、変えようとした自分と同じだ。子どもを育てるとはなんと難しいことか。

登場人物は、どれも個性的で、しかも不気味さも漂う。それがこの監督の作風なのだろう。それも含めて味のあるファンタジーになっている。(R5.3/2記)