読書6ー13『「おもてなし」という残酷社会』Ⅶ

感情労働の困難さに立ち向かう方策をもう一つ。

~わかったことは、客観的にみれば相当に困難な目にあっていたにもかかわらず前向きに生きている人たちに共通してみられるのは、否定的な出来事も肯定的な意味を読み取ろうとする思考の習慣だった。それによって前向きの自己物語が形成されていく。~

最近の否定的な出来事ってそう思いつかないのだが、昨年度の業務内容を請け負った時、「貧乏くじ引いたな」と思わないでもなかった。職場にはいたくなかったので、割り振りを使って、できるだけ早く帰るようにした。そして、落ち込みそうになったとき、よく自分に言い聞かせた言葉は、「私がいるだけで、役に立っている」ということだ。私がいなければ、誰かが私の業務をしなくてはならない。私がいるからその人を助けられる。私が職場に所属すること自体を肯定したわけだ。

感情労働バーンアウトをもたらす可能性が高いのだが、バーンアウトと自律性の間には関連が認められるため、バーンアウトを防ぐには本人の裁量に任せる部分を増やすなど、仕事にある程度の自律性を持たせることが大切だ。~

馴れない業務であったが、自分なりに試行錯誤や工夫をして、ある程度は軌道に乗せることができ、1年を終えた。道は果てしないかもしれない。だが、やれることをやるしかないのだ。他人の目など気にするな。そこにいるだけで感謝されている。何をしてもしなくても許されている。そう考えてできることだけやっていけばいいのだ。

~何よりも日ごろの生活を充実させることが、過剰、感情労働時代を無事に生き延びるコツといえる。~

感情労働をさせられて疲れ果て、自分を見失うことがあってはならない。リベンジみたいにむきになって感情労働に打ち勝とうと思うな。仕事に振り回されることなく、自分の生活を充実させるのだ。(R4.6/22記)