読書6ー13『「おもてなし」という残酷社会』Ⅲ

「おもてなし」と表裏一体なのが「顧客満足度」だ。

~「顧客満足度」などといった概念が輸入され、労働者は常に顧客からの評価を気にしながら働かなければならなくなった。評価される側の立場は常に弱い。それによって労働者の側が一方的に奉仕を強いられるといった状況が生じ、労働者は逃れようのない過重なストレスにさらされるようになった。~

きっと自戒しなければならないのだろう。私は「評価」というものを異常に気にするのだ。本ブログをずっと読めばわかるだろうが、私が映画作品を選ぶ基準は、某サイトの評価点である。4点以上なら絶対に観たいと思うし、3点前半だったら二の足を踏んでしまう。他にも「評価」を気にするのは、旅行予約サイトである。数ある宿泊地から選ぶ基準はやはり「評価」である。映画はそれほどではないと思うが、旅館やホテルについては、労働者たちを必要以上に追い詰めているのかもしれない。

逆に言えば、私も教師としての仕事ぶりを評価されているのだろうな。自分がどんな点数がつけられているのか、どんな序列なのか、気にならないことはないが「まあいいや」と思うところもある。決められた時間の中でベストを尽くしているわけだし、これ以上向上しないだろうと諦めてもいる。だからそんなにストレスにはならないのだ。

そう考えると、評価って何だろう、と思う。満足度評価を取り入れて効果はあるのだろうか。点数の高低にとらわれて一喜一憂しているだけかもしれない。映画や旅館を選ぶ際、評価を気にするのも、自分の眼力に自信がないからだろう。もっと自分の選球眼を信じろ。カンを信じろ。「この良さがわかるのは、俺だけだ」と思っていいのだ。(R4.6/13記)