読書6ー13『「おもてなし」という残酷社会』Ⅳ

「お客様扱い」「おもてなし」を支えるのは感情労働だ。一昔前までこんな言葉なかったな。

感情労働とは、要するに、職場にふさわしい感情を演出し、管理することが求められる労働のことである。~

教員のセミナーでも、「教師は上機嫌であるのがいい」「笑顔が大切」などの言葉を聞いたことがある、クラスをよい雰囲気にするために、自分の感情を演出することが求められているのだ。

~感情を抑制することは、大きなストレスになるのである。有能に役割をこなすことによって、より大きな心理的負荷がかかってくるのである。~

子どもに笑顔を振りまき、保護者にも笑顔で対応する。上司にも、同僚にも。教師はそういう仕事なのだ。

感情労働バーンアウトを引き起こす。対人援助職では、無理をして相手の気持ちに共感し、相手が要求する感情を表現するように努力することが強く求められるため、精神的に消耗するわけである。それが行き過ぎると、疲れすぎて自分の感情をうまくコントロールすることができなくなる。~

要するに、精神的にも肉体的にもハードなのだ。文科省や上司からは、膨大な学習内容と授業準備、きめ細かい生活指導、成績評価などの事務作業。こういった過重業務を、子供や保護者に対し、感情を演出しながら、こなさなければならない。そういう状況だから、病気休職者が減らない。まさにサバイバルレース。私は、そのレースから早々脱落したわけだ。(R4.6/14記)