読書10-7『社会人の生き方』Ⅸ

非正規や失業増えても変わらない過重労働社会に不合理

今月最後の土日。いつもの時間に起床し、ジョギング。虫の声に惹きつけられる。ようやくこの時期になったのだ。秋の夜長を鳴き通したのだろうか。あえて草むら近くを走るようにして耳を澄ます。「虫の声」という童謡があるが、あれだけ虫の声を聞き分けられた昔の人ってすごいなと思う。夜の都会が明るすぎて星空が見えにくいように、現代はうるさ過ぎて虫の声も聴きにくいのだろう。

~学校の教師が定年まで勤めきれずに辞めていくことはよく知られている。今は働けるだけでも幸せ、と思い込ませる風潮の中で、長時間労働に対する批判も表に出てこなくなっている。~

私の定年は4年ほど延長されるらしい。いい仕事をしよう、いい先生になろうなどという思いはない。最後までしがみついて、取れるだけの報酬を得ようと思っている。

サービス残業時間根絶で202万6000人の雇用が生まれると計算している。「国民春闘白書」は年休完全取得によって138人の雇用が生まれるという試算もしている。~

確かにそうだろう。だが雇用を生み出したら、その分の給与を払わなければならない。企業にそんな余裕がないのだ。雇用が足りないのではない。今や、人手不足が問題なっている。

~年休の平均付与日数は18日であるが、日本人の平均取得日数は8,9日である。(なお、フランスの年休は30日、イギリス4労働週、ドイツ24日、EUの年休は完全取得を前提として、休暇中の交替要員が確保されている。)~

私も、子どもが帰ったらなるべく休みを取るようにしている。だから会議や研修には参加しない。そこまで付き合っていたら年休は消化できない。

~一方では非正規社員や失業者があふれているのに、他方では病気になるほど超長時間の労働が強制されているのだから、社会的に合理性がない。~

「社会人としての生き方」なのだが、その人の生き方の習練も必要だが、社会こそが異常であり、それを直していく、合理的な社会づくりという視点も必要と気づいた。(R6.9/28記)