読書8-13『日本人に生まれて、まあよかった』Ⅴ

神道というワードを取り上げてみた。

神道は、日本の民族宗教といわれ、日本人の暮らしにとけ込んでいる」「神道は、万物に神が宿るという考え方である」みたいな記述があった。

~死者を区別せずにひとしく祀るがいいのです。そのことをはっきり信条としているのが神道で、この宗教では善人も悪人も神になります。~

靖国神社参拝についての記述だ。戦争責任者を祀っていることで国内外から批判の対象となっているのだが、「万物に神が宿る」なら、戦争責任者、戦争犯罪者も神だということだ。身内が戦争の犠牲になった者としては、神として崇めることは容易には受け入れられないのかもしれない。

~日本が衛生を重んじたのは皆意識していませんが、日本人の広義の宗教心の現れで、清らかさを尊ぶ神道の心が衛生を尊ぶ思想の背後にあるからだ。~

コロナが流行した時、我が国の感染率は他国と比べて高くはなかった。手洗いが日常化しているのも一因だろう。だが、その名残なのか、コロナが収束しても手洗いの奨励は続いている。

私は教え子に「手を洗ったか」と聞くのがきらいだ。そんな質問は建設的ではないと思うのだ。私こそ、ほとんど手を洗わない。だからと言って食中毒や感染症などにかかっていない。「手を洗いなさい」と呼びかける。だが「手を洗ったか」と確かめない。それを私は指導技術だと思っている。(R5.9/30記)