映画『小さき麦の花(2022)』

小さき麦の花(2022)隠入塵煙/RETURN TO DUST  監督 リー・ルイジュン

高評価だった本作を今日の目玉にしていた。チケットを購入して即入場、座席でマドレーヌを食し鑑賞に臨む。持ち込みのルイボスティーは熱くてなかなか飲めなかった。

監督はリー・ルイジュン。監督だけでなく、脚本、美術、編集も手掛けている。主演はハイ・チン。調べてみたら、本当はきれいな女優さんなのだ。

中国の農家の貧困の実態がよく分かった。レンガから自作して家を作る、機械ではなく家畜を使っての農作業、テレビもない生活などは我が国の昭和前期に相当する。それがかの国の2010年頃というのだから、甚だしい格差社会だということだ。

ただそれだけ貧しくても、まったく悲惨さはない。夫は妻を大切にし、二人力を合わせよく働き、家も完成させる。前を向いて、懸命に、支え合いながら生きること。それ自体が幸福なことなのだ。

飽くなき経済成長を追い求める我々に、大切な何かを伝えようとしていると思う。(R5.6/15記)