映画『千夜、一夜(2022)』

千夜、一夜(2022) 監督 久保田直

今日はジョギングで通勤。組合活動で忙しい日々の小休止として無性に映画を欲していた。30分の割り振りをとって急いで帰宅。すぐにマイカーに乗り換え、コンビニコーヒーを飲みつつ、隣市のミニシアターへ向かった。

本作は『アフター・ヤン』と同時間帯に上映されていたもの。評価は高くないが、『アフター~』がイマイチだっただけに観たい気持ちが高まっていた。

おとなしい作品です。地味な作品です。でも、だからこそ、じわりじわりと伝わってくる作品なのです。30年間、行方不明の夫を探し続ける田中。そして2年前に夫に失踪される尾野。さらに認知症で寝たきりの女性。彼女らの対比がすごくいい。どんな山場なのか想像つかなかったが、まさかそうなるとは。いくつもの夜を乗り越えた末の一夜。タイトルの意味がよく伝わり、言いようのない感動がこみ上げました。

夫の帰りを待つ田中に、独身男のダンカンをくっつけようとする抵抗勢力には閉口した。海辺の田舎町には、あんなおせっかいな人間関係が存在するのだろうか。それはともかく、良作に出会えた喜びを噛みしめています。(R4.12/9記)