読書7-2『人ったらし 』Ⅲ

「それ、知りません」と言える人、という章がある。

~ちゃんと人間を見る目がある人だったら、キミは一目置かれることになる。まず素直さが、相手に好感を抱かせるにちがいない。キミの素直さははったりのない正直な人物だという印象を与える。自分を大きく見せようという野心のない姿勢は、相手に必ずや信頼感を与える。~

先日、欠席連絡を受けてそれを情報機器にどう登録するか分からなかった。そこで、後ろの席の先生に教えを乞うた。素直でありたい、という気持ちよりも、分からないなら仕方がないという開き直りである。

~「それ、知りません」と言ってしまえばグッと楽になれる。知っているという嘘からも解放される。その後の態度が余裕のあるものになるのを、キミは感じられるはずだ。好感を持たれる人の大半が「あ、知らないんです」「教えてください」と素直にいうことができる人であった。~

よく「余裕を持とう」と言われるが、そのための手立てが分からなかったりする。それは、素直であること、知ったかぶりをしないことが条件だったりするのだ。心に余裕を持て、というのは自分に素直であることと同義なのかもしれない。

~「それ、知りません」は今日からでもキミを「人ったらし」の現役選手にしてくれる即効性のある殺し文句だ。ともかく大事なことは自分を大きく見せようなどと考えないことだ。自分の持っているスケールと度量で勝負すること。これが意外と効くんだな。~

このままだったら負けるかもしれない。勝てるとは思えない。そんな時に、自分を大きく見せようと虚勢を張ってしまうのだ。自分も30年くらい、ずっとそうしてきたのかもしれない。威厳を見せようとか、立派に見せようとか。それで疲れてしまったのだろう。でもどうやら、そんな器ではなかったのだ。もう、見栄を張らない。自分を飾らない。そのままで勝負すればいい。負けても大したことじゃない。(R4.10/12記)